齋藤 真貴

バリ取り加工の現状
 機械加工によって発生したバリの処理は,製品の安全性や寸法精度・品質を確保するうえで欠かすことのできない工程である.バリ取りの方法にはバリ取りバーや砥石を使って手作業で取る方法,バレル処理やブラスト処理など専用の設備を用いて砥粒を使った研磨により行なう方法,切削工具やバリ取り用のブラシなどを用いてマシニングセンタや複合旋盤などの工作機械で行なう方法などがある.昨今の人手不足やコスト削減の要求から,より効率的にバリ取りを行なう方法が求められている.

(1)切削工具を使用したバリ取り加工のメリット
当社ではさまざまな材質や大きさの部品のバリ取り加工に適用できる切削工具を提供している.切削工具を使用したバリ取り加工には次のようなメリットがある.

・切削加工後に続けて機上でバリ取り加工を行なうため,後工程でバリ取りを行なう必要がなく効率的.
・手作業でのバリ取りに必要な人件費や,専用機導入のための設備投資が必要なく経済的.
・バリ取り作業はNCプログラムにより機械で行なうため,作業者の練度に関係なく,大量生産時でも均一で高精度なバリ取りが可能.

ツールエンジニア(2023年 4月号)掲載

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