赤星 祐樹  高島 英彰  大島 秀夫  藤原 和崇

Study of Diamond Nucleation Mechanism on Cemented Carbide

Yuki AKAHOSHI  Hideaki TAKASHIMA  Hideo OHSHIMA  Kazutaka FUJIWARA

Abstract

 Strong adhesion of diamond film has been needed for diamond coating tools. One way to improve diamond film adhesion has been known increasing diamond nucleation density, however the enhanced nucleated factor on cemented carbide has not been known. In this study, the nucleation of diamond films on cemented carbide was investigated by TEM and SEM. The results showed the nucleation are likely to generate by scratching with diamond powder.

キーワード:ダイヤモンドコーティング工具,核生成機構,核生成密度,CFRP

1. はじめに
 ダイヤモンドコーティング工具を用いた CFRP の切削加工では,工具の長寿命化が求められている。長寿命化を実現するためには,ダイヤモンド膜の付着強度を向上させる必要がある。ダイヤモンド膜の付着強度を向上させる手法の一つとして,ダイヤモンドの核生成密度を向上させる方法が挙げられる。ダイヤモンドの初期核を増加させることで成膜初期の微結晶化が可能となり,付着強度の向上が期待される。ダイヤモンドの核生成の起点に関し,大きく 3 つの説がある。Si 基板上におけるダイヤモンドの核生成起点として,(a)基材表層付近の転位1),(b)基材表面に埋め込まれたダイヤモンド2),(c)基材表面に形成された傷3) とした報告がある(図 1)。しかしながら,超硬合金基材上のダイヤモンドの核生成に関しては未解明な部分が多く,核生成の高密度化を達成するためには,核生成機構を明らかにすることが必要である。そこで,本研究では,基材の表面状態を変化させた時の核生成状態を観察し,初期核生成と表面状態の関連性を調査した。また,ダイヤモンド核の初期成長過程を詳細に解析し,核生成の成長過程について考察した。

ものづくり・R&Dレビュー 第7号(2018)掲載

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