佐藤 晃、 佐藤 峻

 近年、医療部品や自動車部品の小型高性能化、先進安全自動車や自動運転技術の普及による半導体需要の増加に伴い、小径深穴加工の需要は増加傾向にある。この小径深穴加工の主流は、ソリッドガンドリル、ステップ加工あるいは細穴放電加工であるが、当社は他社に先駆けて2007年より最小径φ0.5mmの油穴付きツイストドリル小径MWSを販売し、ノンステップ加工を推奨した高能率な加工アプリケーションを提供している。発売当時と比較すると、穴径φ1mm以上、加工深さL と穴径Dの比率(L/D)が30以下となる加工領域は、小径油穴付きツイストドリルの普及により、一部従来の加工法からの置き換えに成功している。その一方で、L/D が30を超える高アスペクト比な小径深穴は、穴加工方法やドリル設計製作の難易度から、現在もソリッドガンドリル、ステップ加工あるいは細穴放電加工が主流である。

 本稿では小径深穴を短時間かつ精度良く加工する新製品“TRISTARドリルシリーズ DVASミニサイズ”(小径DVAS)について紹介する。

機械技術(2021年 10月号)掲載

つづきはPDFファイルをご覧ください