佐藤 晃(Akira Sato)、藤澤 翔一(Shoichi Fujisawa)

1.はじめに
 近年、自動車部品や医療部品などにおいて部品形状は、小型かつ薄肉化、そして複雑化した傾向となっている。このような部品形状の変化から工具剛性や製品剛性を確保することが難しくなりつつある。また、被削材としては電磁ステンレス鋼などの比較的切りくず処理の難しい被削材や、削りにくい高硬度鋼なども増えてきている。その中で切削工具には『安定的に加工ができること』が求められる。

 本稿では部品加工の分野において、安定加工への阻害要因となる切りくず処理に関する課題について事例を交えて紹介する。また、その課題への当社の対応として、新製品であるリーディングドリルシリーズ『DLE』(以下、DLE)と座ぐり加工用超硬ソリッドドリルシリーズ『MFE』(以下、MFE)を取り上げ、工具形状とコーティング材種の改良によって上記課題の解決策を解説する。

機械技術(2018年 12月号)掲載

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