渡邊 博史(Hiroshi Watanabe)

1.はじめに
 近年、航空機の需要は増加傾向にあり、日本においても国産航空機のMRJ(Mitsubishi Regional Jet)がテスト飛行を成功するなどし、業界全体として盛り上がりを見せている。

 航空機の需要増加に伴い切削工具に対しては、さらなる寿命延長、能率向上が求められている。しかしながら、航空機には多岐にわたる材料が使用されており、それぞれの材料(被削材)に要求される性能は異なる。なかでもジェットエンジン周辺部品では軽量、かつ高強度、耐熱性を要求されることから、耐熱合金が多く用いられる。一般的に耐熱合金は熱伝導率が低い、加工硬化が発生しやすいなどの特徴を持ち、非常に加工が難しい「難削材」へ分類される。

 本稿では、難削材である耐熱合金の加工に特化した「Ceramic ラジアスエンドミル」、ブレード仕上げ加工用の「iMX 多刃テーパラジアスヘッド」を用いた5 軸加工の事例を紹介する。

機械技術(2016年 5月号)掲載

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